投稿日:2016年10月04日

事務局通信84 ウソか本当か 番外編

事務局通信〜ウソか本当か 番外編

「トラックに乗って回収(一般家庭にお伺いして品物を頂く)に行ったら、水も飲ませてくれない、とうちの息子が言っているんですけど、どういうことですか。うちに来て説明してくれませんか」
夜の8時半。片付けも終わり、シャッターを閉めて帰ろうか、という頃に、メンバーAさんのお父さんからお電話が入りました。
回収担当スタッフのBがAさんの自宅を訪ね、事情を聞いてみると…。

実はその日、スタッフBとメンバーAさんでお伺いして、品物を引き取らせて頂いたお宅のCさんから、「皆さんでどうぞ」と缶ジュースを5本頂きました。
2人で1本ずつ飲み、残りの3本は持って帰ることにしました。
太陽と緑の会の皆さんへ、と頂いたものだからです。もし「回収に行ったメンバーが全部飲んでよい」としてしまうと、毎日回収に行っているAさんばかりジュースをもらい、作業所の中で作業していて回収には行かない大多数のメンバーは1本も飲めない、となり、フェアではありません。持って帰った飲み物は、歓迎会・新年会・忘年会などのイベントや研修旅行に持って行って、皆で頂くことにしています。

ところがAさんは2本目が飲みたかったようで、スタッフBの説明にも納得がいかなかったのでしょう。家に帰ってから、「飲みたかったのに飲ませてもらえなかった」と言う話が「水も飲ませてもらえない」という話に飛躍してしまい、それを真に受けたお父さんが驚いて電話して来た、ということのようでした。
スタッフBの説明にAさんのご両親も「何だそういうことだったのか」と苦笑いされました。
通所を始めた頃に比べて両腕がたくましくなり、重い品物も持てるようになったことを、スタッフBがお話しすると、うれしそうなご両親の横でAさんもまんざらでもなさそうでした。

言葉の意味を「正確に」理解して使っているとは限らないし、言葉の「微妙なニュアンス」ということも苦手なことが多い。実はそれがハンディなのですが、普通に聞いていると「分かっている」ように見えてしまう。そこが難しいところです。
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