投稿日:2020年04月18日

事務局通信~緊急事態宣言

緊急事態宣言が全国の都道府県に拡大されました。
徳島では、県外で感染された3名の方のみで、市中感染の広がりは確認されておらず、休業要請などの措置もとられていません。
地域活動支援センター太陽と緑の会リサイクル作業所も通常通り活動させて頂いております。
といっても、館内はひとつのフロアに数えるほどしかお客様はおられません。天井が高い館内は十分すぎるくらい換気されています。
ストックしていたリユース品の整理・入替など、お客様の少ない今しかできないことを粛々とやっております。

人の密集しているレベルが、東京や大阪のような大都市と徳島とではかなり違います。
主な通勤移動手段は自家用車で、県内に「電車」は存在せず、汽車はありますが、朝夕のラッシュ時でも4両編成で「(東京大阪レベルの)満員」とはなりません。
学校が休校となった現在、ラッシュ時でも車内はガラガラです。
駅前にある唯一の百貨店は昨年10月の段階で今年夏の閉店を決定していました。(人で賑わう)繁華街と言えば、イオンモールやゆめタウンといったショッピングセンターくらいでしょうか。それでも大勢の人が肩を寄せ合うような光景はまずありません。そのような光景が見られるのは年1回4日間の阿波踊りの時だけです(全人口25万人の徳島市に100万人前後の観光客が訪れます)。
現段階では県外との往来でウィルスを持ち込んでしまうリスクの方が市中感染の広がりのリスクより高いかもしれません。徳島は高齢化率が高く、病院や高齢者の方のための施設も数多くあり、県外から持ち込んでしまったウィルスがそこで拡散する可能性は十分あります。



ある市議会議員の方がある若い感染者の方をSNS上で「殺人鬼」と表現したことが問題となりました。言葉の表現としては不適切かつ差別的なものだとは思いますが、それに近い感情を抱いている方は少なくないのかもしれません。
「新型コロナウィルスに感染すると、肺炎を起こし、死に至ることもある」という漠然としたイメージが恐怖心をあおり、感染した方、その周辺の(感染しているかもしれないと思われてしまう)方に対する差別的・攻撃的な言動や行動となって表れてしまう。
これは様々な識者の皆様が指摘されているようにハンセン病の方への差別と共通するところもあり、古今東西変わらぬ、人間の性(さが)なのかもしれません。さらに感染によって差別される側に転落し多大な経済的・精神的ダメージを受けることへの不安心理や、社会・未来に対する漠然とした不満・不安が、さらなる差別行動へと駆り立てる側面も無視できません。
いたずらに不安心理を煽るような報道は差別を助長することにつながりかねません。しかし無防備なままでは医療崩壊を起こしてしまいます。
「正しく恐れる」というのはよく言われることですが、言うは易く行うは難しなのかもしれません。



インフルエンザウィルスを撲滅することができないのと同様、新型コロナウィルスを撲滅するのも現実的には不可能に近いのでしょう。仮にワクチンが開発されたとしても、ワクチンの効果が薄いタイプに変異する可能性も否定できません。このウィルスと長い年月をともにしていく可能性を視野に入れつつ、社会のあり方自体を見直していく必要が出てくると思います。
<<進む戻る>>