投稿日:2021年06月12日

事務局通信~メンバーのワクチン接種

 新型コロナウィルスのワクチン接種も少しずつ進んでいるようです。徳島県内でも企業や大学での職域接種のスケジュールが具体化してきました。徳島市の集団接種は予約に余裕があることから、阿南市、小松島市在住の高齢者の方も対象に含めることになりました。 パート職員のEさんもこれから集団接種に行くと言っていました。奥さんがインターネットでパッと予約を取って下さったそうです。

 月の宮生活棟(グループホームとは違い公的補助金ゼロのため世話人もいません)で生活している視覚障害を持つメンバーのFさんは71才で接種券も先月には届いていましたが、なかなか自分で申し込みができずにいました。車の運転ができないためアスティとくしま(月の宮生活棟から車で30分くらいかかる)での集団接種は難しく、自力で通うことのできるA病院での個別接種が現実的な選択でした。日頃から通院している、ということであれば接種のスケジュールを病院の方で段取りしてくれるのですが、幸か不幸か、Fさんは持病もなく健康で、ふだん通院をしていないため、徳島市へ申し込む必要がありました。

 徳島市への申し込みの場合、インターネット、もしくはコールセンターでの予約となるのですが、両方可能、あるいはいずれか一方のみ可能と、申し込み方法が病院ごとにバラバラだったため、当初かなり混乱を招きました。A病院は残念なことに、インターネットでの予約は不可の病院であることが判明したため、コールセンターに電話で申し込む必要がありました。
 この電話での申し込みと言うのがFさんにはなかなかハードルが高く、やむなく太陽と緑の会のスタッフがFさんの代わりに(ボランティアで)なかなかつながらない電話を3時間かけ続け、生年月日を(和暦ではなく)西暦で言って下さい、といった細かいことも言われながら、ようやく申し込むことができ、来月2回の接種の日取りが決まりました。
 入所の施設であれば、医師や看護師がいて、そこで接種が可能でしょう。しかし、そのような制度から漏れてしまっている人たちはどうするのでしょう。徳島市の方も初めてのことでスムーズにいかない部分もあるのかもしれませんが、コロナ禍が始まって1年、準備のための時間は充分にあったはずです。もっとデジタル化を進めてすべての接種をネットで予約できるようにして、デジタルが難しい方のために限られた人的資源を充てられるような仕組みが必要だと思います。
 
 海を挟んだお隣の和歌山県では、7人に1人は1回目の接種完了、20人に1人は2回目の接種も完了しているとのことです(医療従事者は除く)。東京・大阪で開催されている自衛隊による大規模接種は接種枠が大量に余っているため、全国の高齢者の方も対象に加えることにしたそうですが、ワクチン接種のために全国から東京や大阪に人が集まることを推進するような施策は、いまだに緊急事態宣言を解除せず「人流抑制」を強調していることと矛盾するような気もします。接種対象を広げるのであれば、居住地域よりも年齢の方でしょう。高齢者以外の方への接種券の送付を急いで行うべきかと思います(あるいは接種券がなくてもマイナンバーカードで接種ができるようにするとか、こういう時のためのカードではないかと思うのですが、準備がすべて後手に回っている感があります)。

 世界に目を向けると、アメリカではすでに2.5人に1人が接種を完了したところで接種件数の伸びが頭打ちとなってきました。イギリスも2.5人に1人、スペイン、ドイツ、イタリア、ポルトガル、フランスなどの諸国も4~5人に1人は接種を完了しました。
 日本はまだ25人に1人ですがこれから少しずつ増えていくでしょう。むしろ高齢者の方を対象とした集団接種の予約に余りやキャンセルが大量に発生したことからも明らかなように、いずれ日本も、接種の枠は余裕があるのに接種を希望しない人がたくさんいるため、いつまでたっても集団免疫が達成されない、となる可能性が十分あります。となると、優先枠にこだわらず、接種可能な希望者からスムーズに接種ができるような体制を構築し、早く接種率を上げていく施策を講じる必要があるように思います。
 
 
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