投稿日:2022年02月20日

代表通信~松下照美さんの訃報に想う

「松下照美さんの訃報に想う」通信   R4.2.20
15日朝9時過ぎ「照美さんが眠るように息を引き取りました・・」と連絡が入りました。いつかこの時が来るだろうと、予測はしていましたが・・。新型コロナの影響で見舞いに行くことすらできませんでした。葬祭場の都合で、一日だけ葬儀屋さんに留まることになったと連絡が入りました。穏やかに横たわる照美さんに、最後のお別れが出来たことは幸いでした。
モヨチルドレンセンター活動報告会のため、全国を歩き回っていた照美さんが、毎年ケニヤに帰国する最後に、立ち寄ってくれたのがここです。わずかですが、モヨチルドレンセンターに支援を続けてきたことの報告でもありました。朝ミーティング前の30分程、ケニヤのストリートチルドレンの話をしてくれました。ゴミ集めや荷物の担ぎ屋など、僅かなお金を稼いで路上生活している子供たちの様子や、シンナーでフラフラになっている様子など・・。
「何でシンナー吸うの?そのお金で食べるもの買ったら?」の質問に「食べものよりシンナーの方が安いのよ・・シンナー吸うとお腹が減ったの忘れられる・・でも最後は脳を侵され・・廃人になる・・」
メンバー達みんなに伝わったかどうかは判りません。しかしいつもワイワイガヤガヤする皆が、シーンとする瞬間は確かにありました。
とても日本人など立ち寄ることすら難しいケニヤのスラム街を、彼女は現地スタッフと2人で歩き回り、モヨチルドレンセンターでフォロー出来そうな子供たちにアプローチしてきました。強盗に襲われたり命の危険にも遭遇しながら、体を張ったその姿が少しずつ認められようになりました。役人や警察のワイロ要求にも毅然として、諦めずしぶとく正攻法を続けた姿勢が、いつしか閉ざされた門を開かせることに繫がります。そんな彼女の後ろ姿はストリートチルドレンたちの記憶に残っていくはずです。教育より、そんな生き方をした四国徳島出身の日本人がいたこと自体が、人として大きな意味を持つことになるでしょう。合掌。
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