投稿日:2023年05月26日

事務局通信~収束、そして忘却

5月8日、新型コロナウィルスが感染症法上、インフルエンザと同じ「5類」の位置づけとなりました。今後はインフルエンザ同様、流行の状況に留意し、必要に応じて感染予防対策を行い、通常の生活に戻していく、ということでしょうか。

 新型コロナ禍の3年半、いろいろなことがありました。
 東京や大阪から人が来ると感染しているのではと疑心暗鬼になったり、ウィルスを持ち込んではいけないと帰省をあきらめたり、他県に行って帰ってきて陽性と判明すると気の緩みを非難されたり、他県のナンバーの車に乗る人が「県内在住者です」というステッカーを貼ることを余儀なくされたり…。
 ウィルス検査で陽性と判明した方は、その行動履歴が地元新聞の一面を飾り、注意喚起という名のもとに差別を助長しかねない報道がテレビで連日繰り返されました。
「若者」や「飲食店」を悪者に仕立て上げることで「自粛を求められる」生活への不満をそらしたり、コロナ禍が収束しないのは国民が自粛に協力してくれないからだと、責任が転嫁されたり…。
 不安心理がさらなる不安心理を呼び起こし、赤裸々にぶつかり合っていく中で、社会はどうなっていくのか、まざまざと見せつけられたように思います。

 もうそんなことは過去のことになってしまったようです。ハンセン病の当事者の方に対する隔離と差別の歴史が忘れ去られようとしているように、コロナ禍で起きた出来事も忘れられていくのでしょうか。10年後、20年後、新たな感染症が現れたとき、また同じことが繰り返されるのでしょうか。




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