「ワタベサイクルの思い出」通信 R7.3.14
今から40年程前、太陽と緑の会の創立者・近藤文雄の病院に入院していた競輪選手から自転車パーツ屋さんを紹介してもらいました。
徳島市役所近くの狭い道を辿ると、ワタベサイクルがありました。まるで隠れ家のような出で立ちのお店に、ご主人と奥さん二人で遣り繰りされていました。お二人とは長年お付き合いさせていただくことになり、自転車のことや商売のこと、そして人生のことなど、随分沢山のことを教えて頂きました。
「・・パッチを昔の切り張りタイプにしてコストを抑えたり、安い自転車を如何に売るかを考えるより、付加価値つけてブランド自転車にも方向を向けんといかん・・どうや!M博士が考えたM自転車、これ40万・・」
自転車の見本市にも顔を出し、今どんな自転車がトレンドなのかをリサーチし「これはカンパのブレーキレバーで中古でも1万はする・・」とか「レンタサイクルも始めたんよ・・」など、いつも前向きにアイデアを考える姿勢が素敵でした。
「あの人の所は裕福な家だったけど、いろいろあって・・随分苦労したのよ・・自転車の商売も今は何とかなったけど・・」
こっそり奥さんが耳打ちしてくれました。
時は流れ、奥さんの法事やご主人の入院中にも立ち寄らせて頂きました。今も近くを通ると2人の顔が浮かんでくるから不思議です。(杉)