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徳島新聞「ぞめき」原稿   杉浦良
No.56 「『省エネ考』のその後」 二〇〇六年十一月一日分

 十月二十五日付の徳島新聞に「発電時のCO2排出量増加―二〇〇五年度石炭頼りでー京都議定書順守ピンチ、政府改善策検討へ」との記事がありました。〇五年度は冬の記録的な寒さによる電力需要の増加分を石炭などの火力発電でまかなったため、とその理由が書かれていました。
 今年の二月末、この欄に『省エネ考』と題して、それまで家で使っていた一九八二年と九五年製の冷蔵庫二台の総容量が四百四十五リットル、年間総電気量は七百六十八キロワットとなり、同容量で電気量が約五分の一という新聞の折り込み広告にショックを受け、二〇〇五年製の省エネタイプを現品限りの大特価で購入した内輪話を書きました。
 これで終れば男がすたる・・と一人気炎を吐いて、しつこく電気料金表に目を通し、本当に使用量が変化するのかを追跡しました。
 五月分(四月十九日から五月十八日)は昨年よりわずか一kwの減少、六月分が二十二kwの減少、七月分は三十七kwの減少、八月分は何と八十五kwの減少、九月分が何故かプラマイゼロ、十月分は七十六kwの減少です。半年で二百二十一kwの節電となりました。
 単純に年間七百六十八kwの五分の四の削減となれば約六百kwとなり、もう少し減ってもいいのでは、と期待しましたが、意外に減りが少なかったのには理由があります。
一つは子供達の各部屋での電気使用量増加が挙げられますが、もう一つ、自動製氷装置なるものが今度の冷蔵庫に備わっており、夏場に子供達が入れ替わり立ち代り新型冷蔵庫に群がったためです。家内制手工業的製氷皿から自動製氷皿へのイノベーションは、氷の大量生産大量消費社会につながります・・。
 そんな解釈を勝手に加えながらも、節電および地球温暖化対策に、少々は実践を伴う行動が取れたと、一人ほくそえんでおります。さて次の我が家のエコプロジェクトは、太陽熱温水器か太陽光発電か・・と夢は膨らみますが、まずは照明付けっぱなしで寝ている子供の教育が先決でしょう。(杉)


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