「代表のつぶやき-サービスを考える-」
R8.2.26
(特非)太陽と緑の会代表理事 杉浦良
これを「障害福祉サービス」という言葉に置き換えれば、ますます気にかかるようになります。・・だが教育は本来、そのような市場モデルとはなじまず、「消費者」は何が欲しいかわかっているから市場取引に参加できるが、「学生」は自分が何が欲しいか最初は良くわからない・・自分がどんな人間になりたいのか、なれるのかわからない段階で、進路を決める・・判断の主体が成長し変化するから、教育は「消費者モデル」では捉えきれない・・そんな内容です。
「障害福祉サービス」も同じことが言えるでしょう。雇用契約を結んで最低賃金を保証する就労継続支援A型事業所、就労トレーニングを行い就労に結び付けるための就労移行支援事業所、その範疇に入らないメンバーが生産活動をするための就労継続支援B型事業所、日中の居場所提供と創造的活動や生産活動への支援サービスを受けるための生活介護事業所、日中の居場所提供と創作的活動や生産活動、社会との交流の場を提供する地域活動支援センターなど、たくさんの区分があります。分類区分すれば、一人ひとりのメンバーにとって適切な「障害福祉サービス」を受けられるように、一見思えます。しかしよくよく考えてみると、「メンバー」も自分が何がやりたいか最初は良く分からない・・自分がどんな人間になりたいのか、なれるのかわからない段階で、就労や生産活動や創造的活動に取り組まなければならないわけです。その意味で障害者福祉も「消費者モデル」では捉えきれない・・そう思います。もう一つ付け加えれば「学生」は違うと思えば、随分エネルギーを使いますが、方向を変えることも、辞めることもできますが、「メンバー」はなかなかそうはいきません。通うのを渋ったり、パニックを起こしたり、家に閉じこもったりといった対応をするのが、関の山でしょう。送迎車で送り迎えされれば、途中で寄り道することもできません。
神里教授は・・今や学生は消費者として扱われている。スーパーで食材を買うように教育サービスを買えることが「社会正義」となった・・これは知を単なる手段とみなす態度である・・自身の成長や変貌の可能性のことがすっぽり抜け落ちているのではないか・・そう続けます。
同じく「メンバー」も同じことが言えるのでは・・そう思います。ただ成長や変貌のための時間が「学生」とは比べられないほど長くかかるでしょうが・・。
最後に神里教授は・・困難を乗り越えるか鍵は「原点回帰」ではないか・・大学が「正解のない問い」を引き受け、考え続けることをやめなければ、道は開ける・・そう結んでいますが、残念ながら、私はそんな展望を見つけ出せずにいます。それでもメンバーたちは、せっせと生きているから、頭が上がりません。
せいぜい言える事といえば、長いスパンで一人ひとりと向かい合いながら、枠に押し込むことなく、色々な活動や作業を通して、メンバーの変わりように気づくこと、活動内容や作業内容の多様性を確保すること、そして成長戦略だけでなく、ソフトランディング戦略(今までやれていたことがやれなくなったり、体力も持続力も衰えることを考慮する)は、大切だと感じています。

