「詩集『王元』について」通信 R6.7.26
今年の2月25日、8年ぶりの米田太詩集『王元』が完成しました。
それ以前の彼は10年間で13冊の詩集を書き、本人自ら3万部を超えて販売しました。独特の風貌と言語障害、粗削りな販売スタイルで誤解を招くこともありましたが、新聞等の紹介はじめ、暖かく見守り購入して下さった方々のお陰で今があります。トラブルを起こし半年ほど活動を休止した後、未発表作品を集めて『工元』を発表しましたが、残念ながら、今までの詩を乗り越える作品は見当たりません。
今年初め、書きなぐった紙の束を高揚した表情で私に突き出しました。「これを詩集にして欲しい・・」「・・今までと違って校正から編集、レイアウト、印刷までの時間をオレは取れん・・いつになるかわからんよ・・」そんな曖昧な返事をしました。ただ超難解な彼の文章を眺めているうちに、一皮むけた詩を見つけました。能登半島地震のテレビ画像に触発されたイメージが、文字を生み出したのでしょう。1冊200円のうち制作費100円を除く100円が彼の取り分ですが、そのうちいくらかを寄付する約束で1000部作りました。彼が貯金箱に取り分の一部を入れること5カ月間。12284円を日本赤十字社徳島県支部に渡すことが出来ました。(杉)