経済サロン原稿 杉浦良
「ミクロ的省エネ論」
「暑いですね!」などと交わす挨拶もマンネリに陥る今日このごろ、酷暑が徳島だけでなく、全国で猛威を振るっている。新聞によると、電気使用量も最高記録を更新したとか。エアコンの使用量の増大によるものらしい。夏のエコスタイル推進に努めてきた徳島でも「泣く子とお日さま」にはかなわない。
こんな時こそ脚下照顧。2001年から10年までの年間最大値となる8月分の自宅電気使用量を調べてみた。534、558、490、408、477、392、506、630、583、506(kwh)であった。子供たちが夏休みで家にいることと、長年エアコンレスだったが、友人がそれでは家族がかわいそうと、中古のエアコンを取り付けてくれたことが、8月に最高値を示す理由だ。04年に100kwhほど減ったのは、1階土間を仕切って子供部屋を作ったことによるものと思われる。2階の居間にしかないエアコンより、各自の部屋の扇風機を選んだ。次の年に70kwhほど増えたのは、パソコンなどの電化製品増加に伴うものだ。06年に使用量が大きく減ったが、それは2台の古い冷蔵庫を1台の省エネ冷蔵庫に替えたため。ただ次の年には、また電化製品増加(子供部屋)で、元に戻ってしまった。対策として居間のエアコンを省エネタイプに替えたものの、受験を理由に子供部屋のエアコンを増設、08年には過去最高記録となってしまった。汚名返上とすべての白熱電球を蛍光ランプに替え、昨年は50kwhほど減らせたものの、今年は「兄ちゃんだけズルイ」攻撃に負けて、別の子供部屋にもエアコンを設置する羽目になった。29型ブラウン管テレビをそれよりやや省エネの40型液晶に替え、エアコンは28度厳守、つけっ放しに気をつけて、10年ほど前の水準に戻すことができた。
この10年間にエアコンとパソコンが2台増え、テレビは変わらず冷蔵庫が1台減った。太陽熱温水器設置で給湯器灯油を大幅削減できたが、太陽光発電はまだ資金不足だ。環境負荷が少なく持続可能な社会作りも、とっぴな解決策があるわけではない。閉塞感漂う今の日本社会とどこか重なる。(杉)
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