経済サロン原稿 杉浦良
「住宅エコポイント」
2008年9月のリーマン・ショック後、緊急経済対策として、今の日本の三種の神器ともされる自動車、家電、住宅に、補助金やポイント支給が導入された。車は予算額を期間前に使い切る“大繁盛振り”で、家電は基準を厳しくして来年3月末までやり繰りする「節約作戦」となった。
それに比べ住宅エコポイントは、今年7月末で予算の十分の一しか使われていない嫌われようだ。省エネ基準を満たした新築住宅とリフォーム工事に最大30万円分のポイントが付く制度。ちなみに3万円ほどの中型二重窓リフォーム工事で、1万2千円分のポイントと聞き、有言実行、早速“チャレンジ”してみることにした。
旧知のサッシ屋さんが、一日で窓10ヵ所に二重窓を取り付けてくれた。私は取り付けられた窓の写真を撮り、A4用紙に2枚の割でプリントし、それぞれの窓に付いている性能証明書、工事証明書、ポイント交換申請書のほか、請求書や領収書、身分証明書のコピーを添えて郵送した。少々面倒だが、これで12万円得したと思うと、単純にうれしい。
冬の陽光が一層暖かく、木枯らしのふぶく音も聞こえないのが、心地よい。
新築住宅工事についてはエコポイントの人気も高まり、断熱材生産が間に合わないらしい。そのこともあってか、今年12月末だった申請期間を来年末まで延期し、太陽熱温水器、節水型トイレ、高断熱浴槽なども対象に加えるという。以前から太陽熱温水器に国の支援がないことを不思議に思っていたので、喜ばしい限りだ。
しかし、よく調べてみると強制循環型で一般的な自然循環型ではない。高価で高効率なものも意味はあろうが、比較的安くてCO2削減効果の高い自然循環型太陽熱温水器は、懐具合に優しい一般市民向けアイテムだ。全国一律が無理なら、地域特性を考えて瀬戸内海限定特区として実施したらどうか。来年も今年同様の猛暑なら、その暑さを利用しない手はないだろう。(杉)
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