徳島新聞「ぞめき」原稿 杉浦良
No.97 タイトル「川柳に思う」
「ゴミだし日すてにいかねばすてられる」と新聞に載った、サラリーマン川柳に目が留まりました。
ごみといえば、一般家庭や食品関連業界から出る食品廃棄物が千九百万トンと、農水省が公表しました(二〇〇五年度)。家庭から千百万トン、業界から八百万トン、そのうち五百万から九百万トンはまだ食べられるとされています。最大値を取れば食品廃棄物のおよそ半分近くが、まだ食べられるのにすてられるわけです。飼料や肥料になるものもあるでしょうが、本当にもったいない話です。
必要以上に短い賞味期限や商品の過剰な仕入れや返品制度、消費者の行き過ぎた鮮度志向などの見直しが必要だと、農水省は指摘しています。ただ産地や賞味期限の改ざんなど、山のような不信感が募った消費者からすれば、ちょっと危うければ捨てるのが自己防衛としての、最後の手段でもあるわけです。
しかし私は豆腐や納豆そしてちくわや牛乳まで、賞味期限は一応見ますが、自分の鼻でにおってみて、いけそうなものは全部食べます。
「賞味期限とは消費期限と違うんや。おいしく食べられる期間の事で、メーカーは食べられる期間の半分とか三分の一くらいに設定しているとゆうとるし、保存条件で大きく変わるんや。自分の鼻や舌で確かめることが一番!」とウンチクをたれると、「そこまで言うなら、賞味期限切れはすべてお父さんが食べてよ!」と子供たちから嫌がられます。
しかし、栄養失調で死ぬ子供が世界にたくさんいる現実と食料自給率四割の飽食日本の現実も伝えなければなりません。
「今日食べたスイカはうまかったなあ。スダチを搾ったサンマは最高よ。スイカの皮はニワトリさんが、コーッココ、コーッココ(おいしいおいしい)と喜んで食べるし、サンマの頭や骨は犬さんが、ワンワワン、ワンワワン(うまいうまい)と食べるんよ。人間さんもニワトリさんも犬さんも、みんなみんな幸せね・・。」
「ゴミだしすぎて人間そのうちすてられる」(杉)
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