投稿日:2020年08月16日

事務局通信~自分の頭で考える

昨日に引き続き、最高気温37.7度を記録した徳島。
新型コロナウィルスの検査で陽性と判明した方についての報道も、相変わらず毎日行われています。

大阪府知事の発言をきっかけに、うがい薬のイソジンが売り切れになる騒ぎがありました。ネットで高値で転売する人もいるようです。
「お上の言うことには間違いない」と信じて行動するその姿に、鬼畜米英に勝てると信じ「欲しがりません勝つまでは」と耐え忍んでいた80年前の情景が重なって見えます。撤退は転進に、全滅は玉砕に言い換えた大本営発表をそのまま伝えることで、国民の扇動や洗脳に協力してきたのは誰だったでしょう。新型コロナウィルスで世の中が大きく動いていく中で、歴史に学ぶことの意味を改めて思います。

新型コロナウィルスの検査で陽性と判明し2週間入院していた方が、感染者専用の病棟の鍵を壊したうえで病院を抜け出した、というニュースが報道されていました。この方に対しては誹謗中傷の声も上がっているようですが、むしろ「鍵を壊して」というくだりが気になりました。鍵を壊さなければ外出できない、ということは、病棟から外部に出られないようになっている、ということであり、これではまるで刑務所です。「脱走者」が出た別の病院では警備員を増やしたところもあるそうで、新型コロナウィルスの検査で陽性と判明しただけの方に、犯罪者同然の行動制限を課すという人権侵害について、疑問を抱くどころか「脱走するような人間は処罰できるよう法改正すべきだ」といった声すら上がっていることに、「市民革命を経ていない日本」が垣間見えるようでした。

厚生労働省が今年2月初めに新型コロナウィルスを指定感染症に指定し、検査で陽性と判明すれば、たとえ無症状であっても隔離措置をとるようになりました。中国武漢で感染爆発が起きていた当時の状況を考えれば、その判断が決して間違っていたわけではありません(むしろ、そのような判断をしたにも関わらず、中国全土からの入国規制が2か月も後になったことの方が問題で、学校の休校(3月2日~)よりも先にやるべきだったと思います)。

しかし、それから半年が過ぎ、新型コロナウィルスについてもいろいろなことが分かってきました。比較的重症化リスクの高い方もいればリスクの低い方もいること、人が動く限りある程度の感染は避けられないこと、飛沫感染が主な感染経路であり3密の回避やマスクの着用が感染拡大の抑制に一定の効果があること、等。ハイリスクの方の安全安心を守るために、ローリスクの方の生活に多大な犠牲を強いる政策を半年近く続けてきましたが、これを今後さらに1年、2年と続けることは、もはや現実的ではないことも分かってきました。医療崩壊を防ぐためには、むしろ指定感染症の指定から外し、限られた医療資源や財源をハイリスクの方の領域に集中させた方がよい、との意見もあります。

政府やマスコミのメッセージを鵜呑みにするのではなく、「ほんまかいな」と少し立ち止まって、自分の頭で考えてみる。
新型コロナウィルス政策の転換点に差し掛かっている今、必要なことなのかもしれません。
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