投稿日:2022年09月19日

事務局通信~ヒューマンエラー


幼稚園で3歳のお子さんが通園バスに置き去りにされて亡くなられる、という痛ましい事故がありました。昨年夏にも同様の事故があったばかりで、ヒューマンエラーをなくすためにはどうすべきか、といった議論もなされたことと思いますが、同様の事故が繰り返されてしまいました。「ヒヤリハット」という言葉がありますが、危うく置き去り事故になるところだった、というケースは、水面下に存在するかもしれません。
「全員が車から降りたことの確認を忘れるなんてありえない」と思われた方も少なくないでしょう。しかし、赤信号で止まっている車に後ろからノーブレーキで追突したり、一時停止が必要な交差点に減速せずに進入したり、駐車場でアクセルとブレーキを踏み間違えたり…。「ありえない」ミスをしてしまうのが人間です。1000回やって大丈夫だったから、1001回目も大丈夫、という保証はありません。
個人の努力やテクノロジー、システムの活用によって、ミスを少なくすることはできても、完全にゼロにすることはできないでしょう。車のない社会に逆戻りすれば、交通事故の件数は劇的に減るかもしれませんが、私たちの暮らしも劇的に変わることになり、現実的ではありません。

ミスはない方がよい。それは言うまでもありません。ただ「ミスはすべきではない」「ミスはあってはならない」という点を強調しすぎると、ミスの隠蔽が増えたり、安全管理を名目とした無意味な書類や手続きが増えたり、といったことも起こります。
「ミスは減らすことはできても、なくなることはない」を前提に、ミスをした場合のダメージを最小限にし、素早くリカバリーする方法を考えていく方が建設的でしょう。
通園バスのケースで言えば、置き去りはあってはならない、というところから視点を変えて、置き去りはあるという前提で、その場合でもお子さんが命を落とすような事態にならないためにはどうしたらよいか、ということを考えていくべきなのかもしれません。


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