徳島のような地方都市で生活すると、通勤、買物、通院、保育園や学校への送迎など、あらゆる場面でクルマが必要となってきます。電車やバスなど公共交通が整備されている大都市では、なかなかイメージしにくいかもしれませんが…。
それは交通事故のリスクと背中合わせの暮らしとも言えます。
赤信号で止まっている車にブレーキも踏まずに追突したり、一時停止が必要な交差点に減速しないで進入したり、駐車場で後方を確認せずにいきなりバックしたり、アクセルとブレーキを踏み間違えたり…。
ありえないミスをしてしまうのが人間です。1000回やって大丈夫だったから、1001回目も大丈夫、という保証はありません。
個人の努力やテクノロジー、システムの活用によって、事故を少なくすることは可能だと思いますが、完全にゼロにすることは難しいでしょう。完璧な人も、完璧な機械も存在しません。
クルマのない社会に逆戻りすれば、交通事故の件数は劇的に減ります。しかし、今さら明治時代のような暮らしに戻れるはずもなく、(地方で暮らす)多くの人にとっては「交通事故のリスクをある程度は受け入れてでも、クルマのある生活を送る」というのが現実的な選択となるように思います。
世の中、ふたつ良いことはないのでしょう。100パーセントの安心安全が存在しない世界の中で、どこまでリスクを受け入れていったらよいのか。3年近く続くコロナ禍で幾度となく考えさせられたことでした。
「やり過ぎるくらいでちょうどよい」という感染防止対策が行われる一方で、日常生活の中で人と人とのつながりが切れてしまうことによる負の影響も報告されています。病院や施設に入院・入所されている方は、家族との面会すら困難となりました。
「やりすぎ」は本当に良いことなのでしょうか。なかなかの難問です。(文責:小山)。