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徳島新聞「ぞめき」原稿   杉浦良
No.15 タイトル「環境問題」

 地球温暖化防止、温室効果ガス排出削減の必要性が大きくうたわれるようになりました。産業革命以降、温室効果ガスが急増してこの百年程で平均気温が〇・六度、海面が十~二十五センチ上昇し、このまま行けば百年後に平均気温五・八度、海面上昇は八十八センチにも達する恐れがあると言われています。
 今日、明日ならともかく、一年、二年後のことすらリアリティーが持ちにくいのに、百年後となるとボンヤリとした夢のごときで、緊張感がなかなか持てません。京都議定書で二〇〇八年から二〇一二年までの間に温室効果ガスの排出量を一九九〇年の水準より五パーセント以上引き下げるとうたったのも、ゆでガエルにならないための方法の一つと考えられます。
 では身近な家庭のレベルでこの問題を考えると、省エネルギー対策と新エネルギー導入の二点に絞られます。省エネ対策は必要以外の電気は使わない、車やエアコン、冷蔵庫、テレビなどは省エネタイプを使う、といったことがオーソドックスな解決策です。
 ただ、この実践となると話は複雑です。人によって必要の中身が違ってくるのと、快適さの度合いもバラバラです。また、今使っている物を処分して、省エネ製品を購入する場合は、製造および処分するエネルギーも含めたトータルな視点が必要になります。次から次ぎへと新しい省エネ製品を買い換えるのも、省エネという観点からは問題があります。
 新エネルギーの導入は、太陽光発電、太陽熱温水器、ハイブリッド車の利用が現実的です。ただ厳しい財政事情は導入の決断を鈍らせます。導入補助金のサポートを受けても費用対効果の試算では初期投資の回収期間がそれぞれ二十五年、四十年、八年となっています。しかし考え直せば、人間が働ける間に初期投資の回収の見込みがあるわけです。
 ロマンの世界だった十年前が、今は手が届く世界になってきました。子供や孫のためにも新エネルギーの導入を考えてみませんか?そしてもう少し掘り下げたい方はとくしま環境ボランティア交流会が今月の三十日(日)午後一時からホテル千秋閣で開催されます。徳島で初めての交流会にご参加あれ!


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