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徳島新聞「ぞめき」原稿   杉浦良
No.42 「オンリーワン福祉計画」 二〇〇六年三月二十七日分

 この三月十八日に、ウェルシティー徳島で
徳島県障害者地域共同作業所連絡協議会主催の地域共同作業所研修会が行われました。県障害福祉課、健康増進課そして県民環境政策課からそれぞれ講師をお招きして「障害者自立支援法について」「NPO法人について」のテーマで研修、質疑応答など、熱気あふれる四時間でした。
 徳島県内に現在四十五ヵ所(準備会を含む)ある障害者地域共同作業所は、法定外とか無認可と呼ばれて、表舞台になかなか現れなし存在でしたが、この二十五年間に、全国で六百数十カ所から六千カ所にまで増加した、影武者ならぬ、陰で日本の福祉を支える存在でもありました。
 本県で最初に作業所が出来たのが一九八四年。この問題がなかなか全国レベルにならなかったのは、都道府県による運営補助金がバラバラであったことや(一人当たりの助成金額に十倍以上の差)、都道府県によって障害者福祉の在り方に違いがあったことが挙げられます。都会では大規模収容の施設を造ろうにも、その建設コストがネックになり、小回りの利く地域共同作業所が注目されますが、地方では公共事業とリンクする収容型が歓迎されてきました。
 その状況が、昨年成立した障害者自立支援法で、一変する可能性が出てきました。表を支える法内施設の、細かく分類されていた縦横の垣根が取り払われ、裏を支える法定外作業所も含め、個別給付事業と地域支援事業というミキサーにかけられることになりました。
 法内施設では厳しい財政のあおりを受け、個別給付単価基準が随分引き下げられた関係で、いかに効率を高め、目標基準をクリアーして収入を増やすかが求められます。法外作業所ではNPO法人を取得して法内施設のエリアに参入するか、地域支援センターとしてステップアップを図るか、それとも今までの県単独事業としてそのまま残るか、という岐路に立たされます。
 いずれにしても、ハンディーを持ったメンバー達の卒業後の行き場所として無くてはならない所です。中山間地の多い徳島に似合い、地域に根差し、小回りがきいて、費用対効果の高い障害者福祉を行うためにも、徳島オンリーワンスタイルの福祉計画が求められます。(杉)


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